Strutman Lane はじめて聴くなら|ワシントンD.C.発ファンク・ポップバンドの魅力と注目曲を解説

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Photo from Strutman Lane's Facebook

Strutman Laneは、ワシントンD.C.郊外を拠点とするファンク・ポップ・ソウルバンド。リズミカルなギター、温かみのあるボーカル、推進力あるサックス——三つが絡み合い、独自のグルーヴを生み出す。その音楽は、良くも悪くも聴く者の人生観を揺さぶる。

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バンドの誕生と、その名の由来

リードシンガーのAdam Landaが6歳の誕生日に父からギターを受け取った日から、すべては始まった。父が最初に手にしたそのギターを渡された瞬間、彼は手放すことができなくなったという。5年生で初めてバンドに参加し、高校でも仲間と音楽を続けた。そしてメリーランド大学3年生のとき、Strutman Laneを結成。

バンド名は、アダムの実家近くに実際に存在する通りの名前に由来している。そこが最初のリハーサル場所だった。大学のジャズ学科で出会ったメリーランド大学とジョージ・メイソン大学の仲間たちと組んだ小さなグループが、今やギター2本、ベース、キーボード、サックス、トランペット、パーカッション、そして複数のボーカルからなる最大10人編成のアンサンブルへと成長した。

8人が織りなす、ジャンルを超えたサウンド

現在のメンバーは、Adam Landa(ギター&リードボーカル)、Ashley Huber(ボーカル)、Coby Siegel(ギター&ボーカル)、Evan Williamson(ベース)、Chris Lawrence(サックス)、Alec Aldred(トランペット)、Jack Gruber(キーボード)、Henry Godfrey(パーカッション)の8名。

注目すべきは、そのバックグラウンドの多様さだ。トランペットを担当するAlec Aldredは米陸軍ブルース・バンドのメンバーとして活動しており、サックスのChris Lawrenceはなんと放射線科医でもある。それぞれが音楽以外の世界でも深く根を張りながら、バンドに集うのだ。その多様性がサウンドの厚みに直結している。

音楽的ルーツも幅広い。スティーヴィー・ワンダー、スティーリー・ダン、Vulfpeck——これらの名前が挙がれば、彼らの目指すサウンドの方向性は見えてくる。キャッチーでありながらも深みがある。ポップの親しみやすさと、ジャズやファンクの複雑さが絶妙に同居するのがStrutman Laneの真骨頂だ。

楽曲の魅力——カバーとオリジナルの両輪

2022年のデビューシングル「Our Love」から活動を本格化させたバンドは、2025年1月にセルフタイトルEP『Strutman Lane』をリリース。全5曲収録のこの作品が、彼らの名を一気に広めることになった。

EPの冒頭を飾るのはテイラー・スウィフトの「Lavender Haze」のカバーだ。しかしこれは単純なカバーではない。テイラー・スウィフトのドリーミーなシンセポップを、ブラスが主役のファンク・グルーヴへと完全に再構築した、まさに驚愕の変換だ。聴いた観客がカバー曲のあり方を問い直したというのも、決して誇張ではない。

オリジナル曲も充実している。「Restless Nights」「Reach This High」「One of a Kind」——これらの楽曲には、バンドの集合知が凝縮されている。アダムが骨格となるメロディ、歌詞、コードを持ち込み、バンド全体でリハーサルを重ねながら肉付けしていく制作スタイルが、曲に有機的な生命感を与えているのだ。

ライブで証明された、本物のグルーヴ

2025年1〜2月、バンドは初の東海岸ツアーを敢行した。ボストンの老舗ライブハウス『The Middle East』でツアーファイナルを迎え、満員の観客を熱狂の渦に巻き込んだ。その後7月には、ワシントンD.C.が誇る名門会場『9:30クラブ』でのヘッドライナー公演を成功させている。

ライブではある仕掛けも話題だ。使い捨てカメラを観客に配り、公演中の瞬間を思い思いに切り取ってもらうのだという。プロの写真では絶対に撮れない、リアルな熱気と記憶が写し出される。そのアイデア一つを見るだけで、このバンドが観客との関係をどれほど大切にしているかが伝わってくる。

2026年、さらなる高みへ

Strutman Laneは今、最も勢いのある時期を迎えている。2月20日に新曲「Know What I Know」をリリースし、2026年4月には再び9:30クラブでのヘッドライナー公演が決定した。デビューフルアルバムのリリースも目前に迫っているという。

Adam Landaはこう語る。「バンドの総和は個々の部分の合計を超える」と。全員がエゴを手放し、一つの音楽に向かう。その姿勢が、Strutman Laneの音楽を単なるジャンル音楽の枠を超えたものにしているのだ。

ファンク、ポップ、ソウル——これら三つの言葉に反応する音楽ファンは、今すぐSpotifyやBandcampで『Strutman Lane』EPを聴いてほしい。あなたの体が勝手に動き出す瞬間が、きっと訪れる。

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