注目!6月来日決定のPhoebe Rings(フィービー・リングス)とは
ニュージーランド・オークランドから現れた4人組ドリームポップバンド、Phoebe Rings(フィービー・リングス)。2025年6月6日にデビューアルバム『Aseurai』をリリースし、同月末には待望の来日公演も決定している今最も注目すべき新星バンドです。
来日公演詳細
- 東京:6月28日(土)SPACE/新宿 19:30開演
- 大阪:6月30日(月)CONPASS/心斎橋 19:00開演
バンド名は土星の「フェーベ環」から命名。この環は最大でありながら最も見つけにくいという特徴があり、バンドの音楽性そのものを表現しています。
メンバー構成 – インディーシーン実力派の集結
- Crystal Choi – ボーカル・キーボード(ジャズスクール出身)
- Simeon Kavanagh-Vincent – ギター・キーボード・コーラス
- Benjamin Locke – ベース・コーラス
- Alex Freer – ドラム・コーラス
4人全員がPrincess Chelsea、Fazerdaze、Tiny Ruinsなど、ニュージーランドの著名プロジェクトで経験を積んだ実力者。RNZ(ラジオ・ニュージーランド)から「インディー・スーパーグループ」と評されるのも納得の布陣です。
デビューアルバム『Aseurai』の魅力を徹底解説
アルバム基本情報
- タイトル:『Aseurai』
- リリース日:2025年6月6日
- レーベル:Carpark Records(米国の名門インディーレーベル)
- 意味:韓国語で「手の届かない、消えゆく雰囲気」
音楽的特徴
従来のドリームポップにディスコとシティポップの要素を融合。Crystal Choiのジャズ的背景が生み出す独特の浮遊感と、全メンバーの創作参加による真のコラボレーション作品となっています。
必聴楽曲解説
「Aseurai」- 祖母への愛を韓国語で紡いだタイトル曲
Crystal Choiが韓国語で歌う感動的な楽曲。「아스라이 흩어지는 하늘의 별이 / 그대의 손 끝에 닿아 숨이 돼주길」(遥か彼方の星の散りゆく光が / あなたの指先に触れて、息となりますように)という美しい歌詞で、人生の大部分を離ればなれで過ごした亡き祖母への想いを表現しています。
当初は90年代韓国ポップからインスパイアされた楽曲として構想されましたが、制作過程で深い個人的な意味を持つ作品へと昇華されました。
「Get Up」- 『マトリックス』発想のディスコナンバー
ベーシストBen Lockeが手がけた注目の楽曲。映画『マトリックス』でTrinityが「立ち上がるんだ」と呟くシーンからインスピレーションを得ています。
Nile Rodgers(Chic)のプロダクションスタイルを参考に、ストリングス、バックボーカル、鋭いArpソロで本格ディスコサウンドを構築。ローポリゴンアニメーションのビジュアライザーも話題です。
「Drifting」- 宇宙への報われぬ愛
Simeon Kavanagh-Vincentによるリードシングル。報われることのない天体への愛を歌った、宇宙的でありながら極めて個人的な楽曲です。
バンドの成長ストーリー – ソロから真のバンドへ
もともとCrystal ChoiのソロプロジェクトとしてスタートしたPhoebe Ringsですが、『Aseurai』では全メンバーが作曲にクレジット。「台所にコックが多いほどスープは豊かになる」というCrystal Choiの言葉通り、多様なアイデアの融合で独特のサウンドが生まれています。
「今回はより多彩な楽器を使用し、真のコラボレーションの始まりとなった」と彼女は語っています。
多彩なインスピレーション源
音楽的影響
- ボサノバ
- Stereolab
- 90年代韓国バラード
映像・ゲーム音楽
- スタジオジブリ映画サウンドトラック
- 『ゼルダの伝説』『スターデューバレー』のゲーム音楽
この幅広いインスピレーションが、Phoebe Rings独特の多層的サウンドを生み出しています。
海外メディアの高評価
デビューEP『Phoebe Rings』は多数の著名メディアで絶賛されました。
- Rolling Stone:2024年ニュージーランド・ベストEP第8位
- Stereogum、BBC 6 Musicでも特集
- Paste Magazine:「花のように軽やかで生き生きとした、文化的タペストリーの多層的な愛を反映したスタイル」
国際ツアーでの成功
2025年3月、The Bethsのサポートでオーストラリアツアーを敢行。メルボルン・シドニー公演は2夜連続ソールドアウトの大成功を収めました。台湾公演も実現し、アジア進出への足がかりを築いています。
ニュージーランド・ドリームポップシーンでの立ち位置
Yumi Zouma、Fazerdazeと並ぶニュージーランド・ドリームポップシーンの新世代。The BethsのJonathanがデビューEPでエンジニアを務めるなど、現地音楽コミュニティとの強い結びつきも特徴です。
アルバムのテーマ性
『Aseurai』は「手放すことと掴み続けること」をテーマに、希望と憧憬を多角的に探求。ジェントリフィケーション(地域高級化)への社会的視点から個人的記憶まで、10曲で幅広いストーリーテリングを展開しています。
前作EPが宇宙的広がりを持っていたのに対し、今作はより地に足のついた、具体的瞬間に根ざした作品となっています。
なぜ今Phoebe Ringsなのか
ドリームポップに新風を吹き込む存在として、以下の点で注目に値します。
- 文化的多様性:韓国語歌詞、アジア的感性とポップセンスの融合
- ジャンル横断性:ドリームポップ×ディスコ×シティポップ×ゲーム音楽
- 真のバンドサウンド:全メンバー参加の集合知による楽曲制作
- 国際的評価:本国と米国での高い評価、アジア進出成功
来日公演への期待
6月の来日公演では、アルバム『Aseurai』の楽曲を中心とした演奏が予想されます。Crystal Choiの包み込むような歌声と、バンド全体が織りなす浮遊感あるサウンドを生で体験できる貴重な機会です。
PHOEBE RINGS – ASEURAI 2025 TOUR IN JAPAN
東京公演
- 日程:2025年6月28日(土)
- 会場:SPACE / SHINJUKU
- 開場:19:00 / 開演:19:30
- イベント:to’morrow vol.39
大阪公演
- 日程:2025年6月30日(月)
- 会場:CONPASS / SHINSAIBASHI
- 開場:18:30 / 開演:19:00
- イベント:TONE FLAKES Vol.167

まとめ – 新時代ドリームポップの到来
『Aseurai』でPhoebe Ringsは、夜空に新たな星座を描き出しました。個々のメンバーの才能を前面に押し出しながら、それらを統合した美しい天体として完成させた傑作です。
多様な文化的背景と音楽的インスピレーションが見事に融合した彼らの音楽は、従来のドリームポップの枠を超えた新しい可能性を示しています。特に日本のリスナーにとって、アジア的感性を含んだ彼らのサウンドは親しみやすくも新鮮な体験となるでしょう。
6月の来日公演は、この革新的なバンドを間近で体験できる絶好の機会。ニュージーランド発の新時代ドリームポップを、ぜひライブ会場で体感してください!