ロンドン出身の天才マルチ・プレイヤー、Jacob Collier(ジェイコブ・コリアー)が、ニューアルバム『The Light For Days』を2025年10月10日にリリースしました。
グラミー賞を7度受賞した彼が『Djesse』四部作の壮大な旅路を終えたのちに届ける本作は、スケールを削ぎ落とした、極めて親密で感情的な作品です。
原点に戻るような、静かな創造の4日間
『The Light For Days』は、Jacob Collierのキャリアが始まったロンドンの自宅スタジオで、わずか4日間で録音されました。
これまでの彼の作品を象徴する「100を超える楽器」「数え切れないコラボレーター」といった要素から一転、歌とギターのみというミニマルな構成に挑戦しています。
テイラー社と共同開発した5弦ギターを中心に、彼の豊かなハーモニーセンスと繊細なアレンジが随所に光ります。
「壮大さを親密さに置き換える」という彼の言葉どおり、聴く人の心にまっすぐ届く温もりと即時性を持ったアルバムとなっています。
カバーとオリジナルが織りなす“光の物語”
本作にはオリジナル曲6曲とカバー5曲が収録。
James Taylor(ジェイムス・テイラー)「You Can Close Your Eyes」や
The Beatles(ザ・ビートルズ)「Norwegian Wood」、The Beach Boys(ザ・ビーチ・ボーイズ)「Keep An Eye On Summer」など、Jacob Collierの音楽的ルーツを感じさせる選曲が並びます。
一方で、「I Know (A Little)」や「Something Heavy」といったオリジナル曲では、彼のソングライティングの新たな進化が感じられます。
痛切なほどキャッチーなメロディと深い感情表現が融合し、聴くほどに心をつかまれる仕上がりです。
『The Light For Days』が描く、ジェイコブの新しい光
Jacob Collierにとって『The Light For Days』は、“原点回帰”でありながら“新たな一歩”でもあります。
ライブで彼がひとり静かにギターを奏で、観客と心を通わせるあの瞬間——
その空気を封じ込めたような、シンプルで誠実なサウンドが広がります。
アルバムのカバーには、彼自身の“素顔”が初めて使用されました。
それはまさに、“本当の自分として音楽と向き合う”という彼の決意の象徴とも言えるでしょう。
収録曲一覧
- You Can Close Your Eyes(James Taylor カバー)
- Heaven (Butterflies)
- Thom Thumb
- Fairytale Lullaby(John Martyn カバー)
- Norwegian Wood(The Beatles カバー)
- Keep An Eye On Summer(The Beach Boys カバー)
- I Know (A Little)
- Where Did My Apple Fall?
- Sweet Melody
- Icarus(The Staves カバー)
- Something Heavy
まとめ
『The Light For Days』は、壮大な音の旅を終えたJacob Collierが辿り着いた、最もシンプルで感情的な世界。
技巧よりも“心”を奏でるようなギターと歌声が、彼の音楽の核心を静かに映し出しています。
壮大な『Djesse』を知るファンにとっても、新しいリスナーにとっても、Jacob Collierの“光”を感じられる作品です。
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