Qur’an Shaheed(クルアン・シャヒード)は、クラシック音楽と自由な即興演奏を融合させ、ジャンルの壁を越えた音楽を生み出す注目のアーティストです。
ジャズ、ネオソウル、電子音楽、詩的なボーカルが混ざりあうそのサウンドは、ロサンゼルスの音楽シーンでも特異な存在感を放っています。
本記事では、Qur’an Shaheedとは何者なのか?その音楽スタイル、話題の新作アルバム『Pulse』、代表曲、名前の意味までを解説します。
Qur’an Shaheedとは何者か?|アーティストの経歴とルーツ

Qur’an Shaheedは、カリフォルニア州パサデナ出身・イングルウッド在住のピアニスト、詩人、ボーカリスト。
4歳でピアノを始め、母は音楽学校を運営するピアニスト、父はスティービー・ワンダーやマーヴィン・ゲイと共演した伝説的ミュージシャンという、音楽一家に育ちました。
クラシック音楽の基礎を徹底的に学びつつも、自己表現の手段として即興演奏に魅了され、2012年から本格的に作曲を開始。
彼女の音楽は、ジャンルを越えて“今この瞬間の感情”を音で表現するアートフォームとも言えます。
音楽スタイル|クラシック×即興×ネオソウルの融合
Qur’an Shaheedの音楽は、以下のような要素が特徴です:
- クラシックのテクニックと即興演奏の自由さ
- ジャズ的ボーカルやスポークンワード(詩の朗読)
- ネオソウル/IDM/実験音楽のテイスト
- 電子機材(Roland SP-404など)を使ったローファイな質感
「テーマやジャンルに縛られたくなかった」と本人が語るように、彼女のサウンドはどこまでも自由で、常に“進化の途中”にあるのです。
最新作『Pulse』(2025年7月リリース)
Shaheedの最新作『Pulse』は、2025年7月11日リリース予定。
2020年の初アルバム『Process』の路線を継承しつつも、より深く、より大胆に、内面と向き合った作品となっています。
収録曲一覧(全11曲)
- Dreams
- Fix It, Pt. 1
- Fix It, Pt. 2
- Variation 1
- Doo Doo Doo
- 3am Wine Drunk
- Urgay
- Mixing Colors
- Variation 2
- Variation 3
- Somber Eyes
『Pulse』のテーマと制作背景
- 変化・受容・自己肯定を繰り返し見つめ直す構成
- 夜中のセッションやアナログ機材で制作され、DAWを使わない実験的なプロセス
- ジャズ的な直感ボーカルとコラージュ的構成による音の詩集
Shaheedは「このアルバムでは、“そのときの自分”に正直でありたかった」と語っており、1曲ごとに“彼女の心の中の窓”が開かれていくような構成になっています。
代表曲の紹介|「Doo Doo Doo」と「Somber Eyes」
■ Doo Doo Doo(2025年4月リリース)
- 社会への怒りと自己肯定がテーマ
- 「私はあなたを助けるためにここにいるんじゃない。私は自分のためにいる」と歌う力強いメッセージ
- IDMや実験音楽を取り入れたサウンドが特徴
■ Somber Eyes
- 繊細で叙情的な仕上がり
- シャヒードの即興的ボーカルと浮遊感ある音作りが聴きどころ
- 全長5分37秒で、アルバムの締めくくりを飾る名曲
「Shaheed」という名前に込められた意味
アーティスト名の「Shaheed(シャヒード)」はアラビア語で「殉教者」を意味し、イスラム教における信仰の象徴的な存在です。
また、損傷したコーランの保存や尊重の意味とも関連し、命・信仰・神聖さを象徴する言葉として深い文化的・宗教的意味を持ちます。
この名前が示す通り、Qur’an Shaheedという存在そのものが、アートと信念が交差する象徴的な人物なのです。
まとめ|Qur’an Shaheedは「今、聴くべき」理由がある
Qur’an Shaheedは、伝統と革新、静けさと激しさ、自己と社会――そのすべてを音にして私たちに届ける稀有なアーティストです。
彼女の音楽は単なるBGMではなく、“今の自分を見つめる鏡”として機能する音の体験。
2025年の新作『Pulse』を通じて、彼女がどこまで自己表現を進化させたのか、ぜひ体感してみてください。
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