スペインの音楽シーンから、新たな才能が登場しました。
名前は Juanjo Bona(フアンホ・ボナ)。2003年、アラゴン州マガジョン生まれの22歳です。伝統音楽「ホタ(Jota)」をルーツに持ちながら、ポップやインディーの感覚を自由に掛け合わせたサウンドで注目を集めています。
そんな彼が2025年3月にリリースしたデビューアルバム『Recardelino』。スペイン国内ではいきなりチャート2位にランクインし、「Bad Bunnyを抑えた新人」として一躍話題に。ここから一気にスターダムへ駆け上がろうとしています。
アルバム『Recardelino』とは?

タイトルの「Recardelino」は地元方言で“やんちゃな子供”を意味する言葉。同時に“小鳥”の名前としても使われるため、自由に羽ばたくイメージとも重なります。
アルバムは3つの章立てのように構成されています。
- 幼少期と故郷の記憶
- マドリードでの学生生活
- そして「愛」という普遍的なテーマ
全11曲を通して、ひとりの青年が自分のルーツを見つめ、都会での経験を糧にし、愛を語るまでの道のりを描いているよう。聴いていると、彼の人生を旅している感覚になります。
聴きどころの楽曲たち
- Mis tías
学生寮で出会ったスタッフに捧げられた曲。素朴であたたかい旋律が印象的で、スペインのSpotifyトップ50にもランクインしました。 - Moncayo
故郷から見える山「モンカヨ」へのオマージュ。郷愁と誇りを込めた歌声は、アラゴン出身の彼だからこそ歌えるもの。 - Golondrinas
別れと帰郷をテーマにした切ないナンバー。渡り鳥に自分を重ねるような歌詞が胸を打ちます。 - Lo que no ves de mí
デビュー直後にリリースされたシングル。内面をさらけ出すような歌詞で、ファンの心を強くつかみました。
どの楽曲もホタのリズムや旋律がさりげなく散りばめられ、ポップでありながらも唯一無二のサウンドを形づくっています。
ツアーも大成功!
アルバムを携えたツアー 「Tan Mayor y Tan Niño Tour」 は当初10公演の予定が、人気の高まりに応えて最終的に31公演まで拡大。スペイン各地で満員の観客を前に歌い上げる姿は、地元メディアでも大きく報じられました。
ツアータイトルは「大人でもあり、子供でもある」という意味。アルバムのテーマとも重なり、Juanjo Bonaそのものを表現しています。
日本のリスナーへのおすすめポイント
Juanjo Bonaは、日本ではまだあまり知られていないアーティストかもしれませんが、“伝統をアップデートする” という姿勢はワールドミュージック好きだけでなく、インディー・ポップファンにも刺さるはず。
特に「Mis tías」の温かさ、「Moncayo」の壮大さは、言葉が分からなくても十分に響きます。SpotifyやYouTubeで気軽に聴けるので、まずはチェックしてみるのがおすすめです。
まとめ
Juanjo Bonaの『Recardelino』は、スペインの伝統音楽と現代ポップが自然に溶け合う、新しい世代のサウンド。
まだ日本では未知数ですが、ヨーロッパではすでに一目置かれる存在になりつつあります。いまのうちにチェックしておけば、「次に来るアーティスト」を先取りできるかもしれません。
コメント