インディーロックシーンで急速に注目を集めているバンド、Beach Bunny(ビーチ・バニー)が待望の3枚目となるアルバム『Tunnel Vision』を2025年4月25日にリリース!TikTokでのバイラルヒットで知名度を高めた彼らが、この新作でどのような音楽的進化を見せるのか詳しく紹介します。
一人の音楽家から始まったBeach Bunnyの物語
Beach Bunnyは2015年、シカゴの音楽家リリ・トリフィリオのソロプロジェクトとして誕生。最初は自宅録音の小規模なプロジェクトでしたが、「Animalism」(2015)、「Pool Party」(2016)、「Crybaby」(2017)といったEPをリリースしながら着実に注目を集めていきました。
2017年にフルバンド編成となり、現在は次のメンバーで活動しています:
- リリ・トリフィリオ(ボーカル、ギター)
- ジョン・アルバラド(ドラム)
- アンソニー・バッカロ(リードギター)
彼らの音楽はインディーポップ、インディーロック、パワーポップ、ベッドルームポップといったジャンルを横断し、躍動感あるギターサウンドと心に響く歌詞が特徴です。
ソーシャルメディアがもたらした大きな転機
Beach Bunnyは、2018年の曲「Prom Queen」が2019年後半にTikTokでバイラルヒットしたことがきっかけで広く知られるように。この曲は社会が押し付ける美の基準や体型への悩みを歌詞にしており、特に若い世代から強い共感を得ました。
続いて2020年の「Cloud 9」も2021年にTikTokで爆発的な人気を獲得し、複数の国のチャートに登場。これらのヒット曲によって、Beach Bunnyはシカゴのローカルバンドから、LollapaloozaやRiot Festといった大規模音楽フェスや、Madison Square Gardenのような有名会場でも演奏するアーティストへと成長したのです。
『Tunnel Vision』で示す新たな音楽的深み
2025年4月25日リリースの『Tunnel Vision』は、Beach Bunnyの3枚目となるフルアルバム。すでにタイトル曲「Tunnel Vision」や「Clueless」などがシングルとしてリリースされ、バンドの新しい方向性を示しています。
より広く、より深いテーマへの挑戦
『Tunnel Vision』の最大の特徴は、テーマの幅広さと深さです。これまでの作品が主に恋愛や失恋を中心としていたのに対し、本作では:
- メンタルヘルスの問題
- 年齢を重ねることへの不安
- 気候変動などの環境問題
- 現代社会の不確実性
といったより普遍的で内省的なテーマに踏み込んでいます。
ボーカルのトリフィリオは「この新しいアルバムでは、すべてが本来あるべき形で進んだと感じます。芸術性は納期よりも大切です」と語っています。
サウンド面での洗練と進化
『Tunnel Vision』は、トリフィリオの言葉を借りれば「原点回帰のロックレコード」です。2020年のデビューアルバム『Honeymoon』の生々しいギターエネルギーと、2022年の『Emotional Creature』で見せた洗練されたプロダクションを融合させた意欲作となっています。
アルバムには全10曲が収録され、多様な音楽的アプローチを楽しむことができます:
- 「Mr. Predictable」
- 「Big Pink Bubble」
- 「Chasm」
- 「Tunnel Vision」
- 「Clueless」
- 「Pixie Cut」
- 「Vertigo」
- 「Violence」
- 「Just Around the Corner」
- 「Cycles」
多様なファン層を魅了するBeach Bunny
Beach Bunnyの大きな魅力は、幅広いリスナーに響く音楽性にあります。トリフィリオ自身も認めるように、彼らのファンには:
- モッシュやクラウドサーフィンを楽しむエモパンク系の若者たち
- 洗練された音楽性を求めるインディーロックファン
- 共感できる歌詞に惹かれる若い女性リスナー
といった異なるグループが存在します。バンドの熱量あるライブパフォーマンスと誠実な歌詞が、こうした多様なファン層の心をつかんでいるのです。
「The Tunnel Vision Tour」で北米を巡る
最新アルバム『Tunnel Vision』のリリースに合わせて、Beach Bunnyは2025年4月から「The Tunnel Vision Tour」と名付けられた北米ツアーをスタートさせます。
注目の公演スケジュール:
- 4月22-23日:ワシントンDC(9:30クラブ)
- 4月25日:ブルックリン、NY(ブルックリン・パラマウント)※アルバム発売日!
- 4月26日:フィラデルフィア、PA(フィルモア)
- 4月27日:ボストン、MA(ハウス・オブ・ブルース)
- 4月29日:モントリオール、QC(ビーンフィールド・シアター)
- 4月30日:トロント、ON(HISTORY)
- 5月2日:デトロイト、MI(セント・アンドリューズ・ホール)
Beach Bunnyが示す現代インディーミュージックの新しいモデル
一人のミュージシャンのベッドルームプロジェクトから始まり、ソーシャルメディアの力も活用しながら着実にファンを増やしてきたBeach Bunny。その成長過程は、デジタル時代における音楽シーンの新しい成功モデルを体現していると言えるでしょう。
『Tunnel Vision』では、より深く普遍的なテーマに挑戦しながらも、彼らの真骨頂であるキャッチーでエモーショナルな音楽性は健在。既存のファンを満足させつつ、新たなリスナー層にもアピールする作品となることが期待されます。
Beach Bunnyはこれまで若い世代を中心に強い共感を呼んできました。新作『Tunnel Vision』でより成熟した普遍的なテーマに踏み込むことで、彼らの音楽はさらに多くのリスナーの心に深く届くことでしょう。4月25日のリリースをお見逃しなく!